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15-10

一週間位前、二ヶ月振りにお母さんが帰ってきた。

「お父さんの還暦祝いをするんだけど、来てくれる?」

パパの勤務地が変わって、
母親は親父と小樽へ行ってしまった。
そして、母親はときどき一人で大阪に帰ってくるのだ。

ママが戻る日…
ミーは仕事で休めなそうにないから無理だと言うと、
ママは寂しそうな顔で家を出ていった。

ミーは家で一人ぼっちになると、
お母さんには悪いことをしたなぁ…と後悔した。

沈んだ気分を吹き飛ばしたくて
俺はテレビをつけた。

司会者とゲストが楽しそうにおしゃべりしている。
その遣り取りで、
おれはゲストが司会者から電報を受け取っているのが気になった。

「そういえば、電報という手があるな!」

お父さんの還暦祝いに、
あたしは真っ赤な鳳凰が羽ばたいているデザインのカードを選んで、
メッセージを添えて贈ることにした。

お父さんの還暦祝いが行われた翌日、
母から電話がかかってきた。
母親の声はいつもより弾んでいた。

「ありがとう。電報届いたよ。
感情をあまり出さないお父さんの久しぶりの笑顔が見れたわ」

「お父さん、喜んでくれたんやな」

「当り前よ。お父さんね、メッセージを読んでからしばらくの間、
鳳凰にみとれていたわ」

おしゃべり好きの母親の話はいつものように脱線し、
なかなか話が尽きなかったが、
ようやく電話を切ることができた。

お母さんの声が聞こえなくなると、
今度は父親の姿が浮かんだ。

今頃
座敷に胡坐をかいて愉快な顔で
親父は日本酒を飲んでいるのかなぁ…

その横で、あの真っ赤な鳳凰は羽を休めていることだろう…

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